お久しぶりです、狼華です(*^^*)皆様お元気でしょうか?
大分投稿が空いてしまいました…申し訳ない(^_^;)
看護師を退職し、地域包括支援センターで保健師として働き、やっと諸々に慣れてきました。自分が担当する件数も増えてきて、看護師とは全くベクトルの違う大変さが感じられるようになりました笑
そこで今回は久しぶりのブログ記事投稿もあり、改めて地域包括支援センターとは?といったところをまとめていこうかと思いますん。
- 地域包括支援センターとは?
- 地域包括保健師はどんな仕事をしているの?
- 地域包括保健師の仕事にやりがいはあるんか?
地域包括で働くことを考えている方の参考になれば嬉しいです!それでは、れっつらごー♪
地域包括支援センター
この記事を読んでくださっている方の中には、そもそも地域包括支援センターってなんぞや…?っていう方もいらっしゃると思います。私もきっと保健師を目指さず一般企業就職とかの人生だったら、ヨボヨボの婆さまになるまで本当に知らなかったと思います…笑今回はできるだけわかりやすくお伝えできるように書いていきますね♪
そもそも地域包括支援センターってどんなところ?
地域包括支援センターとは結論、「地域における高齢者専用の相談窓口」です。
「地域」に密着している施設
「地域における」というのは介護保険法第115条に基づいて、各市町村が設置できる施設であることを指しています!あくまで設置義務はないので、市町村が必要だと思うところに設置する施設です!
まあ高齢化が超スピードで進んでいる現代日本に、介護が必要のない未来など現実的に考えられないので、ほとんどの市町村には基本あります◎
(地域包括支援センター)
第百十五条の四十六 地域包括支援センターは、包括的支援事業、その他厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設とする。
2 市町村は、地域包括支援センターを設置することができる。
平成九年法律第百二十三号 介護保険法
加えて、地域包括支援センターの機能として「地域のネットワークづくり」があることもここに含まれています。ぶっちゃけ方言が地域によって違うように、地域の特徴って同じ市の中でも微妙に違うことがほとんどです。
なので地域の課題や住民さんのニーズをキャッチして、新しいコミュニティを作ったり、新しい社会資源の作成を市に提案したり、各専門機関に課題を投げかけて連携・協力体制を整えてみたり…。こういった働きかけをすることも求められます◎
さまちゃろの個人的なニュアンスなのですが、一応市町村直営もしくは委託を受けて運営されちゃってる施設なので、形的には準公務員なのですが、役所みたいに堅苦しくないから出入りしやすい公的な施設だな、と思います。
働いている中でもよく「あなたには相談しやすい」「役所までいかなくていいから楽」「近くにいるから安心できる」という声をよく聞かせてもらいます。なので、対象者の方1人1人に向き合う時間がしっかり確保されながら働けるのは、ポイントとしてあるかもですね。
対象は「高齢者」と「その高齢者に関する家族・環境」
また「高齢者専用の」というのは施設の役割が「介護予防支援事業」と「包括的支援事業」を実施することを指しています。
介護予防支援事業は名前の通り、介護が必要になる前に予防しよう!とサポートすることです。簡単なところでいうと体操教室やってみたり、認知症養成サポーターを増やす講座開いたり、詐欺予防の教室開いてみたり…ってとこですかね。
一方、包括的支援事業は介護が必要になった方の支援や、介護者にあたる家族の支援、本人を取り巻く環境を整える支援をすることです。例えばでいうと、介護保険のサービスの提案や市で行っている事業の説明をする感じです。情報提供をしたり、場合によっては一緒にサービス申請まで、サポートをします。
ポジティブな面だけでなくネガティブなところも正直にお伝えすると、介護ってやっぱりしんどいから高齢者の権利を侵されている場面もあったりします。そういった課題に包括が中立的な立場で介入しないといけないこともあります。こういう場合に立ち会う時は私もけっこうしんどいぞ〜、っていうのが本音(笑)
それぞれもっと具体的に何をするか、仕事の内容詳細は次回の投稿で詳しくお伝えしていきます♪
包括のポジションは「相談窓口」
「相談窓口」なので、あくまで最初の入口というポジション。「とりあえず介護が必要になったんだけど、何から始めたらいいかわからない…」「自分も高齢になってきて予防したいけど何かいい方法はあるか知りたい」など、ぼやっとした状況でひとまず立ち寄るところです。
なので基本的には介護保険そもそもの説明だったり、悩みに応じたその人に必要そうなプロフェッショナル業者さんや専門機関をご紹介したりが基本業務。
一旦その人が抱える悩みをまるっと聴いて、個別的に必要な課題解決に導ける支援を提案し、つなげていく。
その人に必要なサービスへ直接的・間接的に「つなげる」仕事♪
地域包括保健師の仕事
実は介護保険法により、地域包括支援センターには3職種をそれぞれ1人以上配置、というところが原則として位置づけられています。
地域包括支援センターには、包括的支援事業等を適切に実施するため、原則として保健師等、社
厚生労働省 地域包括支援センター業務マニュアル
会福祉士、主任介護支援専門員の3職種をおくこととされています。保健師等は保健医療、社会福祉士は
ソーシャルワーク、主任介護支援専門員はケアマネジメント、それぞれの専門性を発揮することが期待されているからです。
地域包括支援センター職員の人員不足という課題はあるので、この縛りはやや緩和されている時代傾向はあるものの、施設の機能を維持するために、保健医療という視点で地域と関わる専門職の配置は必要だとされています◎
私の職場のセンター長は看護師さんです♪
3職種の役割とその特徴の実際
働いてても感じることは、やはり生活に困っている高齢者というのは何かしらの病気と一緒に生活している方が圧倒的に多いということ。糖尿病、高血圧、高脂血症といった聞き馴染みのある生活習慣病をお持ちの方もいれば、末期がんや難病をお持ちだけど年齢的に積極的な治療をしない方もいます。
そういった方へのアプローチにおいて、やはり医療的な専門知識があると課題解決の視野が広がる、と職場の先輩は言っていました(笑)
一方で私も、生活保護や成年後見人の話、虐待の話、就労支援等、何らかの障害がある方になるとめっぽう知識がありません。なのでこういう類の相談は先輩方に質問攻めの毎日です。社会福祉士の先輩はやはりそういった知識に精通していて、本当に心強い!
また介護保険のサービスを利用していく方には、必ずケアマネージャーさんによる「ケアプランの作成」が必要なわけですが。
ケアプランとは、どの介護保険サービスを、いつ、どのくらいの頻度で利用するかをまとめた計画書!
このケアプランがあって初めて介護保険サービスが利用できるわけなのですが、ケアマネージャーさんに対して指導や助言ができる資格を持つ方が主任介護支援専門員(主任ケアマネ)。ケアマネージャーという介護保険のプロの更に上を行くプロ。さまちゃろは、福祉業界の神的存在と解釈しています(笑)
やはり主任ケアマネの先輩は圧倒的に福祉の知識が豊富!どうしたらその人が自宅で生活できるようになるかの引き出しを沢山持っています。どんな法律があって、その上にどんなサービスがあるのか。サービスの組み合わせでどんなことができるかを熟知しています。
なので私は、この方にどんな提案したらいいのかさっぱりわからん…と悩んだら、まず主任ケアマネの先輩に相談します。
地域包括保健師としてのやりがい
個人的にではありますが、地域包括としてのやりがいは主に3つあるな、と思います。
- 対象者1人あたりかける時間にゆとりがあるから、個々のケアをじっくり考えられる
- 医療職の役割として専門的な医療知識が発揮できる
- 問題解決型思考ではなくウェルネス思考型で考えることでの課題解決ができる
医療はその時その瞬間の瞬時な対応、福祉は長い目で経過を追い続ける
看護師はやはり医療行為を実践するため、命に直結するポジションの仕事です。ゆえに、常に1分1秒という時間に追われつつ、瞬時に判断することが求められる事が多いです。患者さん一人に割く時間も限られている中で優先順位をつけ、必要なケアをする、という感じですね。
一方転職して最初に思ったことでもありますが、包括保健師は対象者1人あたりに充てる時間に余裕があります。医療は瞬間、福祉は追う。先輩看護師さんに言われたこのアドバイスが、本当に的を得ているなと思う今日この頃。
例を上げると、電話相談があってその時に10分ほどヒアリング。その後必要であれば日程調整をしてその方のお家に訪問して1時間程度追加ヒアリングも兼ねて介護保険申請の代行。その後も定期的に電話で状況確認したり、訪問したりで、生活が安定した4〜5ヶ月後にケースを終了する。
病院看護師時代ではありえないほどの長期戦です(笑)だからこそ、その人が本当に求めていることって何だろう?この人の悩みの根本は何だろう?果たしてこの人の主訴だけが解決したところで、次に違う問題は発生しないだろうか?とじっくり対応を考えることができます。
医療的な専門知識が求められる場面も多々
先述もしたのですが、やはり何かしら生活に困っている高齢者は、何かしらのお病気をお持ちの方がほとんどです。そのときに、職場の方やケアマネージャーさんから医療的視点の意見を求められることもあれば、家族から医療職の助言をもらいたいと依頼されることもあります。
そのため医療的な知識に、様々な状況を想定したうえ、色んな人の思いを汲み取った提案が必要になってきます。もちろん社会福祉士や主任ケアマネの先輩も同様に考えていらっしゃいますが、「ネットでどんな病気か調べてみるけどイマイチそこからどうなることが想定されるのかまではわからないことが多いんだよね」とのこと。
正直私も初めて聞いたり、あー…それなんだっけ、という病気に出会うことも多いですが、調べればどんな病気かはなんとなく理解できるし、その後どういうことが想定されるかも理解するのは先輩より早いかな、と思いました。また薬の情報を見てなんとなく疾患の状況を理解できるのも強みですね。
自分でも調べたうえでわかりやすく説明し直したり、疾患の特徴を踏まえた対応方法の変化を提案したり、実践したり、というのは医療職としての役割を発揮している場面なのかなと思います。
その人の強みを見逃さず、活かすケア
病院に務めていたときと1番違うのは対象者にじっくり関われるからこそ、その人の強みがたくさん見えてくるということだと思います。
たくさん時間をかけるからこそ、その人がどんな生い立ちで、どんな生活をしてきて、どんな性格で…といったことがたくさん見られます。問題解決思考型では見えなかった打開策を一緒に考えられることと、自立を促す並走ができること。これは包括保健師ならではのやりがいかな、と思います。
できないことだけではなく、今ここはできている、という所を活かす関わり方は、その方の意識を変えることができたり、誰も想像していなかった人間の生きる力を目の当たりにすることもできるな、と感じています。
本当にケースごとでゴールの過程も違うし、ゴールの見えないケースも沢山あるので、もちろん大変なこともあります。長い時間一緒に走り続けたからこそ良い対応ができたとき、心から「ありがとうございました」と言っていただけるのは本当に嬉しいです。
さまちゃろの転職した背景(半分言い訳)
私が看護師をしていたときは、病院としても忙しいで有名で、なおかつ院内で1番忙しい病棟に配属でした。正直私が要領悪かったり新人だったから、というのもありますが、看護師として働いていたときは自分の看護を求める時間、というのは全くありませんでした。
そんな中でも自分の看護観として個別的ケアに力を入れたかったさまちゃろとしては、常に差し迫る時間の中働く看護師という仕事は圧倒的に向いていなかった職業だということに気づき、早めに転職したところです(笑)
大前提として、看護師が良い悪いということでは無いです。現役で看護師をしている方々を本当に尊敬しています。ただもし患者さんひとりひとりにもっと時間をかけて看護ケアを考えたい…!と悩んでいる方がいたら、包括に医療職として転職も一つの手ですよ、と提案しておきたいです。
まとめ
- 地域包括支援センターとは「地域における高齢者専用の相談窓口」
- 地域の課題に合わせた「介護予防支援事業」と「包括的支援事業」が主な仕事
- 地域包括支援センターには3職種の配置がされ、そのうち包括保健師は保健医療の役割が求められている
- 包括保健師は1人あたりにかける時間にゆとりがあるので個別ケアをじっくり考えられる
- 長期間の関わりだからこその大変さも、やりがいも感じられる
いかがだったでしょうか。私もまだまだ駆け出しですが、包括でこの年齢で働くことができて本当に貴重な経験ができているな、と思っています。
正直、福祉の業界は給料そんなに高くないですが、ワークライフバランスは100%看護師時代より改善できたのと、個別ケアを大切にしたい、という自分の看護観を大切にして仕事ができているので、やりがいを持てているのも1つモチベーションになっているな、と思います。
もし老後のこと、介護のことなどで心配事があったら、お近くの地域包括支援センターにご相談してみてくださいね♪